エネルギーと環境の世界統計
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森林面積率をどう読むか――「森が多い国」の比較に潜む統計の境界

エネルギーと環境について、世界の統計を定点観測する

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森林面積率は、国土の使われ方を読む指標

「Forest area of land area」は、国の土地面積のうち、森林が占める割合を示す指標です。森林の広がりを国どうしで比較しやすく、土地利用、農業、都市化、生態系保全などを考える入口になります。

ただし、森林面積率は「自然がどれほど豊かか」を直接表す指標ではありません。割合が高くても、森林の種類、樹齢、管理状態、生物多様性、地域ごとの分布は国によって異なります。反対に、割合が低い国でも、都市や農地と森林がどのように配置されているかによって、生活環境や水資源への影響は変わります。

したがって、この統計は順位を競うためだけの数字ではなく、国土全体の構成を俯瞰するための基礎情報として読むことが重要です。

同じ「森林」でも、統計の定義がある

森林面積率を読むとき、まず確認したいのは、何を森林として数えているかです。国際比較に使われるデータでは、一定の樹冠被覆、まとまりのある土地の広さ、樹木が到達しうる高さなど、共通の考え方が用いられます。天然林だけでなく、植林地を含む場合もあります。

このため、森林面積率が維持されていても、天然林が守られているとは限りません。伐採後に植林された区域が森林として計上される可能性があるからです。植林地は木材供給や炭素吸収に役立つ一方、天然林と同じ生態系機能を持つとは限りません。

また、森林の境界は、衛星画像、地図、現地調査、各国の報告などを組み合わせて把握されます。調査方法や土地分類の変更によって、実際の景観の変化とは別に、統計上の変動が生じることもあります。

似た統計を並べると、見える範囲が分かる

統計主に分かること読むときの注意
森林面積率国土に占める森林の割合森林の質や分布までは分からない
森林面積森林の広さそのもの国土の大きさが異なる国の比較では割合と併用する
森林面積の推移森林の増減の方向定義や推計方法の変更を確認する
持続可能な開発目標の森林指標国際目標の進捗指標の対象範囲と報告時点を確認する

森林面積率と森林面積は、似ているようで役割が異なります。広い国では、森林の割合が中程度でも、森林そのものの面積が大きい場合があります。小さな国では、割合が高くても、森林が限られた地域に集中している可能性があります。どちらか一方だけで国土の特徴を判断するのは適切ではありません。

時系列比較では「増えた理由」を分けて考える

森林面積率の推移は、森林減少や植林の動きを考える手がかりになります。しかし、上昇しているからといって、すべての環境条件が改善したとは言えません。放棄された農地に木々が戻った場合、計画的な植林が進んだ場合、分類方法が変わった場合では、意味が異なります。

Our World in Dataの資料では、国際的な森林データを基礎にしながら、空白期間を補う処理が行われています。こうした加工は長期的な傾向を見やすくする一方、観測された年の値と、補間によって得られた値を同じように扱わない注意が必要です。特に古い時期の推定値は、地図や土地調査など異なる資料に依存する場合があり、長期比較では不確実性を意識する必要があります。

森林面積率から一歩進んで読む

森林面積率は、森林政策の成果を単独で判定する指標ではありません。水の循環、土壌の保全、温室効果ガスの吸収、生物多様性、木材生産など、森林が関わるテーマは多岐にわたります。

英語圏を含む各国の読者がこの指標を使うときは、同じ定義に基づく国際データで大きな構図を捉えたうえで、各国の森林面積、森林の種類、土地利用、保全状況に関する資料を重ねるのが有効です。「森林が何割あるか」という問いは出発点にすぎません。その森林がどこにあり、どのような状態で、社会や環境とどう結びついているのかを確かめることで、統計はより実態に近い情報になります。

出典

https://data.worldbank.org/indicator/AG.LND.FRST.ZS

https://unstats.un.org/sdgs/dataportal

https://ourworldindata.org/grapher/forest-area-as-share-of-land-area

https://data.worldbank.org/indicator/AG.LND.FRST.K2